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<<   作成日時 : 2008/09/01 10:31   >>

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「お〜いっ、こっちこっちぃ〜」

オレは声を掛けてくる仲間達の所へ駆け寄った。

“悪ガキ”と呼ばれるオレ達に唯一脚光が浴びる時が来た。
“運動会”だ。

小学校高学年の運動会の花形と言えば“騎馬戦”と
“フォークダンス”である。

特に騎馬戦は全クラス対抗で男子全員参加なのだが
逆に言えば全クラスの“悪ガキ”達の頂上決定戦とも言えるのだ。
勿論、オレ達もその為の必勝作戦を練りに練らなければイケない訳で…

「●組の奴等は●●達だよな」
「ああ」
「こいつ等って▲組の連中とこの前も揉めていたから潰し合いしてくれないかな?」
「ふ〜む…」
「で、■組はオレ達で潰せば双方の勝ち上がりで優勝決定戦って感じなんだけどな」
「そうだよなぁ〜」

所詮は頭の悪いガキの戯言。
そんなに上手く事が進むとは思えないのだが
それが絶対に起こると思ってしまうのも頭の悪いガキの特性の一つなのだ。

「そんなに上手く行くかな?」
「絶対、行くって」
「そうかな?」
「だってよぉ〜あいつ等はバカだからよ」
「……………………そ、そうだよなぁ〜」
「そうだって」
「そっかぁ〜…」
「だから、バッチリだって」
「そうだよな」
「それにオレ達には秘密作戦があるからよ」
「秘密作戦?」
「そ」
「どんな?」
「それはな・・・ごにょごにょごにょ………」
「だ、大丈夫かよ?」
「大丈夫っ」

彼がオレ達に言った秘密作戦とはまさしく秘密作戦だった。

その作戦とは?
同じクラスの騎馬を駒として使い捨てにすると言う作戦だった。
簡単に言えば自分達以外はすべて“トカゲの尻尾”にすると言うモノで…

まず、自分達以外の騎馬を2騎、自分達の前後に配置する。
そして3チームに分けた騎馬を最初に■組の騎馬に突っ込ませる。
この時、オレ達の目標は●組と▲組。
このどちらか劣勢の方に加勢する。

何故、劣勢に加勢するのか?
劣勢の方に加勢し、優勢の組を撃墜した後、
劣勢だった方に攻撃を加えれば与し易しと言う観点からである。

しかしながら、この作戦には大きな問題点がある。
それは…
自分達の思い通りに同じクラスの人間が動いてくれるか?と言う事だ。

オレ達は授業後、運動会の練習に集まる前に同じクラスの連中に話をする事にした。

「チョット聞いてくれよ」

突然の悪ガキ達の申し出に訝しげな表情を浮かべながらもその言葉に耳を傾けてくれた。

「…と言う訳でオレ達は絶対に勝ちたいンだ。
 それにはみんなの協力も必要になって来るンだ。
 だから、オレ達に力を貸してくれよ」

運動会は悪ガキ達だけのモノでは無い。
そんな事は重々承知している。
しかしながら、団体戦となれば個々の実力よりも最後は結束力にかかって来る。
この事ばかりは否めはしない。
オレや仲間達は普段は口も利かない様な男子達に頭を下げた。

「オマエ達の為に協力するのは良いが、協力すれば僕達に何か良い事はあるのか?」

ご存じ“日光君”である。
後に“腐れ縁”になる彼なのだが正直、小学校の時はウマが合わなかった。
勿論、それなりに付き合いも有ったのだが彼は独自の世界観を既に構築しかけていた。
“良い事は良い”“悪い事は悪い”
それを明確に示せる男だった。

オレ達はこの日光君の言葉に言葉を失った。
自分達の“利”ばかりを力説して相手の事は一切考えていなかったからだ。
オレの仲間が日光君に言葉を掛けた。

「ど〜すれば良いんだよ?」

まさしく、それしか言葉が浮かばなかった。
その言葉に日光君は少しばかりニヤリとしながら言葉を続けた。

「ぢゃ〜今後、一切授業中に無駄話をしたり授業の邪魔をしないでくれるか?」

日光君からはオレ達はただの授業妨害者としか見ていなかった様だ。
ま、それはごもっともなお話な訳だ。
ところが日光君の言葉に賛同する者が多数現れた。

「ど〜するよ?」

クラスメイトの思わぬ反撃に最早防戦一方となった悪ガキ達。
顔色を見合せながらも一人のダチが声をあげた。

「分かった。」

『え?え?え?え?』
オレ達から見ればそれを飲むのか?と言った塩梅か?
オレ達が授業中に無駄話もせずに授業を受けると言う事はある種拷問に近い。
それを承知でコイツは飲むのか?
オレ達は「分かった」と言ったダチの手を引き、こう言った。
「本当に良いのか?」と…

ダチは「それでも勝ちたいんだ」と一言。

そりゃ勝ちたいのは勝ちたいけれど…ど〜したものか?
オレはそこまでして勝ちたいのか?と自問自答した。
確かに他のクラスの悪ガキ達とは揉める事もあったが
一緒にツルんだりもする言わば仲間の一つと考えている。
勿論、その中で一番を決めると言うのはやぶさかではないが
自分達の授業態度を改めてまでそこまでしたいのか?
そこまで突き詰めて考えてしまうと少しばかりの疑問が沸いてくる。

この日、オレ達は結論の出ないまま解散となった。
クラスの仲間との意思疎通の前に
自分達同士の意思疎通が必要と考えたからだった。

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